柔術強くなっている気がしない問題を紐解く
昨日は、夜の稽古。
スパーは4本程度だったけど、インストラクターの先生とのスパーだったので、強度は高め。
最近は息上げを意識してトレーニングに励んでいるからか、スタミナは本当についたと実感している。
技術的には、体重が少しずつ軽くなってきた為か、パスガードの力が少し落ちてきている気もする。
体重が軽くなってしまった分、より技術はさらに正確性を求められ、タイトな動作が要求される。
練習後に、会員の方と話をしていて、「柔術全然強くなってきる気がしない。」とおっしゃっていた。
私は、そんなことないと思いますよ、と答えたが、筋トレなどと違い数値に表れるものではないので、自分が柔術が強くなってきているかは中々実感しずらいと思う。
定期的に稽古していれば強くなっていくはずなのに、柔術強くなっている気がしないと感じるのはなぜなのか考えてみた。
仮説1 そもそも本当に強くなっていない
悲しいけれど、強くなっている気がしないのだから、本当に強くなっていない可能性はある。
大抵の人は同じジムで稽古をしているわけなのだから、ジムの同じ帯の人や階級が近い人がライバルとなると思う。
こういう人たちのスパーでボコボコにされ続けていれば、やはり強くなっていないと感じてしまうだろう。
筋力、スタミナ、スピード、この辺りの身体能力と言われる部分も中々簡単に伸びていくものではないし、テクニックにしたって、クラスを1回受けたくらいでは劇的に伸びることは考えづらい。
しかし、稽古を続けていく過程で柔術自体の理解度が深まったり、攻防に対する経験値が貯まっていくはずなので、稽古をしている限り、弱くなっていくことや強くなっていかないというのは考えづらい。
筋力などにしたって、付きづらいものではあるものの、裏を返せばそうそう落ちるものでもないので。
よって、強くなっていないわけではないかが、非常にゆっくりとしたペースでしか強くなっていないので、実感が得られていないだけだと考える。
仮説2 周りが強くなっている
自分が強くなるスピードに対して、周りの方が強くなっていくスピードが早くなれば確かに自分が強くなっていっている気はしないだろう。
しかし、このパターンはむしろ歓迎すべきだと思う。
周りのレベルが上がるという事は、レベルの高い環境で稽古をすることが出来るということだ。
また、もしあなたが1つのガードにこだわっていたり、1つの技にこだわってスパーをする人だったとしたら、そのスタイル自体が攻略されている可能性もある。
例えばディープーハーフしかやらない人、ラペラしかやらない人、とかであった場合、その特徴を知っているジムの仲間は絶対にDFには入られないようにするだろうし、ラペラは巻かれないように対処するはずだ。
こういう環境で得意技を封じられれば、中々スパーは思うようにいかないかもしれない。
しかし、同じ技が通じないという事はむしろ歓迎すべきで、技の入り方を変えてみたり、技の威力を高めてみたり、もしくは全く違う技に切り返しみたりと攻防に深みを加えたり広がりを持たせることによってさらにレベルが高くなれる可能性がある。
この環境下で自分のスパーが上手くいかずに、強くなっている気がしないと考えている方は、確実に自分の得意技が磨かれているはずだ、と稽古に励み続けるしかないだろう。
そもそも強くなるとは
- 身体的に強くなる
- 理解度を深める
の2パターンがあると思う。
身体的に強くなるというのは、分かりやすく言えば、パワー、スピード、スタミナ、柔軟性、体重、この辺りが身体的な強さで上げられる。
しかし、柔術においてはちょっとくらいの体格差やパワーの差はいとも簡単にひっくり返ってしまう。
身体的強くなり続けることも中々出来ないと思うので、必然的に2つ目の理解度を深める、というのが重要になってくる。
理解度とは
理解度においては、単純に柔術の知識量がそのまま戦闘力の差になる可能性がある。
柔術においては、単純にその技を知っている、というだけでも技に対するリアクションが変わる。
その技の対処は知らなくても、技だけは知っている人と、技すら知らない人では防御力が全く違うはずだ。
ここまでが知識。
続いて経験値。
自分の得意な戦型があったとして、何度も何度も同じ攻防を続けていればその攻防に特化した経験値が溜まり続ける。
例えばハーフガードの足抜き一つにしたって、いくつかの組み手がある。
対戦相手の体格、パワーも変わるし、足抜き出来たとしてもその後のリアクションも変わる。
この攻防をやった事がある⇨上手くいったことがある⇨この攻防は得意
といった具合にいくつかの段階を踏んで、経験値がそれぞれの選手にある。
理解度を深めることが非常に重要なのだ。
まとめ
柔術が強くならない問題について軽く考察してみた。
結論から言うと理解度を深めることが最も重要で、稽古を続けていく限り理解度はゆっくりとではあるものの深まり続けると考える。
しかし、極端にブランクが空いたり、柔術の形を決めすぎてしまうと成長の速度は遅くなってしまうだろう。
とにかくいろんな試合を見て、いろんな人とスパーをしてみて、いろんなテクニックを試して柔術に広がりを持たせたり、一つの技を突き詰めて深めていくのも楽しみ方だろう。
なんにせよ、全てはコンディション。
コンディションを良くして気持ちよく柔術を続けていくことが、何よりも大事なのだ。